林業で使う自動車の話
うちの事業体は各々が現場まで自家用車で行きます。
現場への道は舗装されていない場合がほとんどだから、毎日オフロード走行することになります。
こうなるとアヴェンタドールや911にチェンソーを載せても土場までさえたどり着くことができないため、相応の自動車に乗る必要があります。
そこで多くの林業従事者がそうであるように、四駆の軽自動車が最も適しているように思います。
実際うちの事業体でも半数以上が軽トラで通勤していますし、思いの外頑丈なので30万キロを越えても現役で使ってる人もいます。
ただここで大切なのは四輪駆動であるということ。
未舗装路では二駆だと立ち往生することがまれにあるんです。ちょっとの水切りでも片方のタイヤが空転して進めない、砂の多い登り坂だと後輪駆動車はスピンの危険も。
林道はその性質上、幅員が狭く離合する箇所も少ない為、大型の4WD車では取り回しに手間を食います。
実際うちでファミリーカーと化してしまってる70型のランクルでも現場に通ったことがあるけど、小回りの効かない車は"かったるい"というのが正直な感想です。
軽自動車ならではの小さなボディサイズがやはり林道にはマッチします。
では軽自動車で4WDなら何でも良いかなと思いがちだけどここは山道。車高の低い車だと底が着いてなかなか通してはもらえません。
ここまで条件が重なってくると、選ぶべき自動車はかなり絞られてくると思います。
まあここからは好みと言うか自分の仕事以外での使用用途で決まってきますね。汚れた荷物を積んでも気にならない軽トラ、積載に目をつぶって走破性を重視したいならジムニーやパジェロミニ、趣味のキャンプで車中泊もしたい人なら軽バンもアリでしょう。
ちなみにぼくは昼寝がしたいが為にリクライニングできる軽バンに乗ってます。快適快適。
搬出搬出
4月から班が変わって、仕事内容がこれまでの保育から搬出がメインになった。
とにかく伐って伐って出して出して。重機にも乗らなければいけないし、肩凝りが凄い。
覚えることがたくさんあるけど頑張ろう。
チル引き
間伐作業でたとえば道側や民家側など、木を倒しこんではいけない場所での伐倒の場合、チルホールを使います。
要は倒す木にワイヤーを引っ掛けて伐倒方向をコントロールする道具です。
木の重心が何処であろうが枝向きがどっちだろうがチルホールにかかればほぼ関係ありません。
伐倒木に受け口と追い口さえきっちり作ってやれば、あとはコイツをギッコンバッコン屋形船を操舵する容体よろしく漕ぐだけで狙った所へ倒す事ができます。
とは言え我々本職は日曜日に庭の木を一本伐るお父さんとは違い、1日に何十本もの木を伐ります。
冒頭の箇所や筆違いの境などの伐倒に取り掛かると2〜3日これの世話になることもザラです。
そしてチルホールを引く作業、通称チル引きを担うのは、その作業の単調さとしんどさから、経験の浅いペーペーになる事が殆どだと思います。
もれなくぼくもチル引き要員なのですが、まあ最初の1.2本は楽しいです。これを7時間引いていたら気がおかしくなります。自分は馬鹿なのか?阿呆なのか?の自問が始まり、終には何でこの世に生を受けたのかすら分からなくなってきます。
そして木を伐る側の御諸先輩方はもちろん疲れないので休憩を取りません。詰まりは自分はチル引きでバテバテの挙句、休みもままならない1日が続きます。DEATHです。
この気持ちわかってくれる人いないかな。。。以上愚痴でした。
明日も頑張ろ。
斧を山に持っていこう
山で仕事をするためには、釣りするために釣り針が必要なことと同じに刃物は欠かせません。
最たる物はチェンソーでしょうか。ナタや斧、鎌や鋸などもあります。
そこでぼくが山へ持ち込む刃物は、先述のチェンソーと斧です。
チェンソーはさておき、斧はとても有用な道具なんです。
刃物なのでもちろん枝打ちや太めのカヅラ切りに使うのですが、チェンソーのバーを木に詰めてしまった場合のレスキューにも役立ちますし、木にクサビを打ち込む時のハンマー代わりとしても使えます。
クサビ打ちだけならショックレスハンマーという良い道具もありますが、やはり斧の実用性はそれを超えるものがあります。
なによりコイツを腰に挿してたらカッコいいですしね。いっぱしの山師になった気分です。
夏の山仕事
この時期になると、間伐よりも下刈の仕事が多くなります。
間伐というのは簡単に言うと立木の間引きです。成長過程の木々の中で、枯れたものや歪んだもの、極端に細いものやおれたものなどを伐木し、良い木を残してそれに多く光を当ててやり、その生育を促すことが目的になります。
では下刈とは。
皆伐した山に新たな木を植樹すると、木の成長と同じくその周りの雑草や雑木も伸びてきます。これを刈ってやり木の成長を妨げないようにする作業になります。
文字で書くとハイハイなるほどね という感じになりますが、山での仕事の中でもおそらくは最もしんどいものになると思います。
冒頭で書いたように下刈作業は草のよく生える夏場がメインになります。皆伐して高い木のない山はまず日陰がありません。
日光が容赦なく照りつける山肌で、草刈機を7時間使います。体力が無ければ命に関わる事故になります。冗談や大袈裟でなく。
実際昨年、他県の事業体で熱中症による死者がでています。同業者として、本当に残念です。
ぼくは麦茶2リットルとスポーツドリンク1リットルに塩飴を持って山に入るようにしています。
あと今夏から友人の勧めで空調服も着るようにしました。全然体感温度が違いますね。先輩等は「高い!」と言って誰一人着ていませんが、2万円の大枚を叩いた価値は十分にあります。
秋までにあと3件の下刈があります。あー憂鬱。。。